⑮ 力率とは何か(有効電力・無効電力・皮相電力)

理論

1. 力率の定義

力率(Power Factor)とは、電力の利用効率を表す指標です。

交流回路では、電圧と電流に位相差が生じることがあります。その結果、実際に仕事をする電力(有効電力)と、往復しているだけの電力(無効電力)が分かれます。力率=cosθ\textbf{力率} = \cos\theta

  • θ:電圧と電流の位相差
  • cosθ:力率

2. 電力の3種類

① 有効電力(P)

  • 単位:W(ワット)
  • 実際に仕事をする電力
  • モーターの回転、ヒーターの発熱など

P=VIcosθP = VI\cos\thetaP=VIcosθ


② 無効電力(Q)

  • 単位:var
  • 磁界・電界を作るために往復する電力
  • コイルやコンデンサで発生

Q=VIsinθQ = VI\sin\thetaQ=VIsinθ


③ 皮相電力(S)

  • 単位:VA
  • 電源が供給している見かけの電力

S=VIS = VIS=VI


3. 電力三角形の関係

三者の関係は直角三角形になります。S2=P2+Q2S^2 = P^2 + Q^2S2=P2+Q2

力率はcosθ=PS\cos\theta = \frac{P}{S}cosθ=SP​


4. 力率が悪いと何が起こるか?

力率が低い(cosθが小さい)と:

  • 同じ有効電力を得るために大きな電流が必要
  • 配電設備が大型化
  • 銅損(I²R損)が増加
  • 電圧降下が大きくなる

👉 電力会社は「力率割増料金」を課す場合があります。


5. 力率改善

主に 進相コンデンサ を設置して改善します。

  • コイル負荷 → 遅れ電流
  • コンデンサ → 進み電流
  • 打ち消し合って位相差を小さくする

6. 電験での重要ポイント

電験三種レベルでは:

✔ 単相回路の電力計算
✔ 三相回路の電力公式
✔ 力率改善のコンデンサ容量計算
✔ 電力三角形のベクトル関係

が頻出です。


まとめ

種類記号単位役割
有効電力PW実際の仕事
無効電力Qvar磁界・電界維持
皮相電力SVA見かけの電力
力率cosθ利用効率

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