⑩力率とは何か?なぜ改善が必要なのかを完全理解しよう

電力

この記事はこんな人向けです

  • 力率(cosφ)が何を意味しているか分からない
  • なぜ力率が悪いと良くないのか知りたい
  • 電験で確実に点を取りたい

力率とは「電気の使い方の良さ」を表す指標です

まず結論です。

力率とは、使った電力のうち
どれだけが本当に仕事に使われているかを表す割合
です。

式で書くと、力率=有効電力皮相電力=cosφ\text{力率} = \frac{\text{有効電力}}{\text{皮相電力}} = \cos\varphi力率=皮相電力有効電力​=cosφ


⑨のおさらい(超重要)

交流電力には3種類ありました。

  • 有効電力(W) → 仕事をする
  • 無効電力(var) → 行ったり来たり
  • 皮相電力(VA) → 全体量

👉
力率は、この3つをつなぐ評価指標です。


力率が100%(1.0)とはどういう状態か

力率が 1.0 のとき、

  • 無効電力がほぼゼロ
  • 皮相電力 ≒ 有効電力

つまり、

流した電気が、ほぼすべて仕事に使われている状態

理想的ですが、
実際の交流設備ではほとんどありません。


力率が悪いとはどういう状態か

力率が悪い(小さい)とは、

  • 無効電力が多い
  • 電流が余計に流れている

状態です。

結果として、

  • 同じ仕事をするのに
  • より大きな電流が必要

になります。


力率が悪いと何が困るのか

ここが試験でも実務でも重要です。

困ること①:電流が増える

皮相電力=電圧×電流皮相電力 = 電圧 × 電流皮相電力=電圧×電流

有効電力が同じでも、
力率が悪いと電流が増えます。


困ること②:送電損失が増える

送電損失は、損失=I2R損失 = I^2 R損失=I2R

👉
電流が増えると、
二乗で損失が増加します。


困ること③:設備が大きくなる

  • 変圧器
  • 配線
  • 遮断器

は、皮相電力(VA)基準で設計されます。

👉
力率が悪いと
同じ仕事でも設備が無駄に大きくなる


なぜモーターが多いと力率が悪くなるのか

工場やビルで力率が悪くなる主因は、

モーター(誘導機)

です。

  • 磁界を作るために
  • 無効電力を必要とする

👉
モーターが多いほど
無効電力が増え、力率が下がります。


力率改善とは何をすることか

力率改善とは、

不要な無効電力を減らすこと

です。

代表的な方法が、

  • コンデンサの設置

コンデンサは、

  • モーターが必要とする無効電力を
  • 近くで供給する

👉
電源側から無効電力を流さなくて済む。


力率改善の効果

力率を改善すると、

  • 電流が減る
  • 損失が減る
  • 設備容量に余裕ができる

👉
電力会社・設備所有者の双方にメリットがあります。


電験2種・3種での典型問題

  • 力率を求めよ
  • 力率改善後の電流を求めよ
  • 必要なコンデンサ容量を求めよ

👉
確実な得点源です。


今日のポイントはこれだけ

力率とは「有効に電気を使えている割合」

  • 力率が悪い → 無駄が多い
  • 力率を良くする → 電流・損失が減る

まとめ

  • 力率=有効電力 ÷ 皮相電力
  • 力率が悪いと電流が増える
  • 電流が増えると損失・設備が増える
  • コンデンサで力率改善する

次に読むおすすめ(自然な流れ)

  • ⑪ コンデンサは何をしているのか
  • ⑫ 三相交流と力率
  • ⑬ 力率改善計算の基本問題

補足(学習者の方へ)

力率が分かると、

  • 電力会社の考え
  • 工場設備の設計
  • 電験の計算問題

が一気につながります。

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