この記事はこんな人向けです
- 有効電力・無効電力・皮相電力が混乱している
- なぜ交流だけ電力が3種類あるのか知りたい
- 電験の超重要ポイントを基礎から理解したい
交流では「電力が3つに分かれます」
まず結論です。
交流回路では、電力は1種類ではなく3種類で考えます。
それが次の3つです。
- 有効電力(W)
- 無効電力(var)
- 皮相電力(VA)
これは交流特有の考え方です。
なぜ直流では問題にならなかったのか
直流では、
- 電圧と電流の向きが一定
- 電力はすべて「仕事」に使われる
つまり、
直流の電力 = すべて有効電力
でした。
交流では電流が「ずれる」ことがあります
交流回路では、
- コイル(L)
- コンデンサ(C)
があると、
電圧と電流のタイミングがずれます。
これを 位相差 といいます。
👉
この「ずれ」が、
電力を3つに分ける原因です。
有効電力とは何か
**有効電力(W)**とは、
実際に仕事をしている電力
です。
例:
- モーターを回す
- ヒーターを温める
- 電球を光らせる
👉
結果として役に立っている電力です。
無効電力とは何か
**無効電力(var)**とは、
仕事はしないが、交流回路に必要な電力
です。
- コイルの磁界を作る
- コンデンサに電気を蓄える
👉
エネルギーが
行ったり来たりしているだけ
なので、仕事にはなりません。
しかし、
無効電力がないと、交流機器は動かない
という重要な役割があります。
皮相電力とは何か
**皮相電力(VA)**とは、
電圧と電流を単純に掛けた電力
です。皮相電力=電圧×電流
これは、
- 電源
- 変圧器
- 配線
の容量を決める基準になります。
👉
設備は
皮相電力で設計されます。
3つの電力の関係
この3つの関係は、次のように表されます。
- 皮相電力:全体
- 有効電力:役に立つ部分
- 無効電力:往復している部分
数学的には、皮相電力2=有効電力2+無効電力2
👉
直角三角形の関係になります。
なぜ無効電力は問題になるのか
無効電力が大きいと、
- 電流が増える
- 送電損失が増える
- 設備が大きくなる
👉
電力会社・設備設計では非常に困る存在です。
ここで「力率」という考え方が出てきます
次のテーマにつながります。
力率 = 有効電力 ÷ 皮相電力
- 力率が良い
→ 無駄が少ない - 力率が悪い
→ 無効電力が多い
👉
交流電力の評価指標です。
今日のポイントはこれだけ
交流では、電力は3種類で考える
- 有効電力:仕事をする
- 無効電力:必要だが仕事はしない
- 皮相電力:設備の基準
まとめ
- 交流では位相差がある
- その結果、電力が3つに分かれる
- 有効電力が「使える電力」
- 無効電力が多いと損をする
- 皮相電力で設備は決まる
次に読むおすすめ(自然な流れ)
- ⑩ 力率とは何か?なぜ改善が必要なのか
- ⑪ コンデンサは何をしているのか
- ⑫ 三相交流の電力計算
補足(学習者の方へ)
ここは
電験で一番「壁」になるテーマですが、
同時に 一番おもしろいところです。
理解できると、
交流が一気に「見える」ようになります。


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