⑨交流の電力とは?有効電力・無効電力・皮相電力を完全理解しよう

電力

この記事はこんな人向けです

  • 有効電力・無効電力・皮相電力が混乱している
  • なぜ交流だけ電力が3種類あるのか知りたい
  • 電験の超重要ポイントを基礎から理解したい

交流では「電力が3つに分かれます」

まず結論です。

交流回路では、電力は1種類ではなく3種類で考えます。

それが次の3つです。

  • 有効電力(W)
  • 無効電力(var)
  • 皮相電力(VA)

これは交流特有の考え方です。


なぜ直流では問題にならなかったのか

直流では、

  • 電圧と電流の向きが一定
  • 電力はすべて「仕事」に使われる

つまり、

直流の電力 = すべて有効電力

でした。


交流では電流が「ずれる」ことがあります

交流回路では、

  • コイル(L)
  • コンデンサ(C)

があると、
電圧と電流のタイミングがずれます

これを 位相差 といいます。

👉
この「ずれ」が、
電力を3つに分ける原因です。


有効電力とは何か

**有効電力(W)**とは、

実際に仕事をしている電力

です。

例:

  • モーターを回す
  • ヒーターを温める
  • 電球を光らせる

👉
結果として役に立っている電力です。


無効電力とは何か

**無効電力(var)**とは、

仕事はしないが、交流回路に必要な電力

です。

  • コイルの磁界を作る
  • コンデンサに電気を蓄える

👉
エネルギーが
行ったり来たりしているだけ
なので、仕事にはなりません。

しかし、

無効電力がないと、交流機器は動かない

という重要な役割があります。


皮相電力とは何か

**皮相電力(VA)**とは、

電圧と電流を単純に掛けた電力

です。皮相電力=電圧×電流皮相電力 = 電圧 × 電流皮相電力=電圧×電流

これは、

  • 電源
  • 変圧器
  • 配線

容量を決める基準になります。

👉
設備は
皮相電力で設計されます。


3つの電力の関係

この3つの関係は、次のように表されます。

  • 皮相電力:全体
  • 有効電力:役に立つ部分
  • 無効電力:往復している部分

数学的には、皮相電2=有効電2+無効電2皮相電力^2 = 有効電力^2 + 無効電力^2皮相電力2=有効電力2+無効電力2

👉
直角三角形の関係になります。


なぜ無効電力は問題になるのか

無効電力が大きいと、

  • 電流が増える
  • 送電損失が増える
  • 設備が大きくなる

👉
電力会社・設備設計では非常に困る存在です。


ここで「力率」という考え方が出てきます

次のテーマにつながります。

力率 = 有効電力 ÷ 皮相電力

  • 力率が良い
    → 無駄が少ない
  • 力率が悪い
    → 無効電力が多い

👉
交流電力の評価指標です。


今日のポイントはこれだけ

交流では、電力は3種類で考える

  • 有効電力:仕事をする
  • 無効電力:必要だが仕事はしない
  • 皮相電力:設備の基準

まとめ

  • 交流では位相差がある
  • その結果、電力が3つに分かれる
  • 有効電力が「使える電力」
  • 無効電力が多いと損をする
  • 皮相電力で設備は決まる

次に読むおすすめ(自然な流れ)

  • ⑩ 力率とは何か?なぜ改善が必要なのか
  • ⑪ コンデンサは何をしているのか
  • ⑫ 三相交流の電力計算

補足(学習者の方へ)

ここは
電験で一番「壁」になるテーマですが、
同時に 一番おもしろいところです。

理解できると、
交流が一気に「見える」ようになります。

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